月刊 三代目!!

2023.11.30

[月刊 三代目!! 005]10年目という節目。尽きない悩みと成長への意欲。(2023年11月)

みなさん、こんにちは。株式会社三輝の代表、阿部拓也です。

私が父の跡をついで代表職に就いたのは、2014年9月のこと。現在ちょうど10年目に突入しております。就任当時の経緯については、過去の回を参照してみてください。10年前は20名ほどだった社員も、今では派遣を含めて40名近くなり、全員の尽力もあって、売上も右肩上がり。ずっと順調に成長することができていると感じています。

そんな状況の中、じゃあ経営者として何の悩みもないかと言われると、まったくそんなことはありません。昔からよく「社長は孤独だ」と言われますが、私もそれを実感しており、腹を割って経営上の悩みを相談できる相手が見つけられないまま、現在に至っております。さらに経営者になった頃、諸先輩方から「右腕となる存在をつくりなさい」と言われましたが、それも未だ実現できておりません。

組織としてさらに成長していくために、これまで常に社内での改革を目論んできました。しかしそれも上手くいくことと上手くいかないことがあります。例えば私の夢のひとつに「役職をなくす」というものがあります。そもそも「社長」と呼ばれることもあまり好きではなく、自分がスタッフよりも偉いと思ったこともありません。

これまでも役職を超えた関係性の構築に努めてきました。

役職は必要ないのですが、頑張っているスタッフを正しく評価し、給与などに反映させたいという気持ちはあります。それが故に、どういった評価制度が正しいのかもずっと考えてきました。過去には投票制のMVP制度をつくったり、数字に表れにくい製造部門の指標をつくってみたりと、試行錯誤を続けてきましたが、それも100点のものにはまだたどり着いていません。

また、どのようにしてスタッフの自立心を育み、自主性を持って仕事に取り組んでもらうかという課題もあります。ひとつのアイデアとしては、社内に『個人事業主制』を導入するというもの。同じ会社で、同じ社員として働きながらも、例えば「あの人にこの作業を発注すると、いくらかかる」といった感覚を持ちながら、仕事に臨む制度です。

そうすることによって、会社の備品の扱いなどの意識も変わってくると思います。事実として、会社のものとなると、大切に使わないスタッフは歴然といます。「自分の家のものだったら、そうはやらないだろう」という使い方や発注の仕方が垣間見られ、まだまだ思案中ではあります。「会社のため」と考える必要はありません。「自分のため」で構わないので、どうやったら給料が上がるのか、またどうやったら自分の市場価値が高まるのか、そういったところにすべての社員が意識的になるよう、サポートをしていきたいと感じる次第であります。

さらにもうひとつ、大きな考え方として常に心の中にあるのは、「それぞれのスタッフに、もっと自由を与えたい」という思いです。例えば外資系企業のように、デスクはフリーアドレスで、勤務時間も完全フレックス。そんなカタチに非常に憧れがあります。しかし我々は製造業で、現場で働くスタッフたちは、同じ時間に来て、横一列になって仕事をしなければ、効率が下がるという問題もあり、壁にぶつかったまま。

また同時に思うのは、自由であるというのは、非常に難しいということです。これも前回までの連載で書きましたが、私がこの会社に来たばかりのとき、ただ「座っていればいいよ」とだけ言われた経験があります。何をやればいいか分からないし、何もやらなくても特に何も言われない。周りの人たちにも「何をすればいいですか?」とは聞きにくい。あの時の辛さは忘れられません。自由というのは本当に怖いものであり、逆に役割や仕事を与えられるのがどれだけ楽なことかは、十分理解しているつもりです。

やはり組織というものには、ある程度の規律や決まり事が必要であり、指示を出さないと動けない人が多いもの。もちろんそれでも自主的に動ける人もいますが、それはごく一部に限られるということが、この10年で痛いほど分かりました。そんな中で、それでも個々のスタッフが、それぞれの考え方に従い、自由に働きながら、しかしチームとして一体となり業績を上げていくというスタイルへの憧れは持ち続けており、未熟ながら代表に就任して10年目となった今なお、奮闘中でございます。

同じ悩みを持つ経営者の方、もしくはお知恵をお借りできる方がいれば、ぜひお声がけください。

三輝の部活動

SPECIAL CONTENTS

モテたいなら、やっぱ筋肉っしょ!