2024.09.30
みなさん、こんにちは。株式会社三輝の代表、阿部拓也です。突然ですが、私が3代目としてこの会社の代表となったのは、2014年の9月10日のこと。つまり来月で就任から10年の歳月が流れたことになります。そこで今回と次回の2回にわたり、10周年という節目のタイミングで、過去を振り返り、またここから続く未来へと思いを馳せてみようと思います。
ことのきっかけは、父からの突然の告白でした。今でもよく覚えています。2014年の8月8日。先代の代表だった父から「血液の癌である悪性リンパ症だ」と告げられます。末広がりの「8」が並んだ、明るい未来へと続いていくはずの日の出来事でした。そこからすぐに親戚周りに連絡をとり、会社の株式の整理などを進め、ほんの1ヶ月後となる9月10日に調印します。その1ヶ月は数か月に感じるくらい大変な一か月でしたが、今になってはとても良い思い出であり、また良い経験です。
父に代わって代表となり、会社の中身を詳しく見てみると、運営状況は本当にやりたい放題だったことが分かります。誰も全体の生産管理をしておらず、各部署ごとの現場スタッフたちが、勝手に注文数以上の部材を発注し、何も把握せずに作業を進めていました。それによって在庫過多が膨れ上がり、ある部材に至っては年間に3万~4万個ほど必要な部品が8万個も在庫されているなど、原価で計算して当時の月の売上4倍以上の在庫があることが判明したほどです。
また働き方のルールなどもまったくありませんでした。従業員の中には、毎日夜中の1時に出社し、飲酒やたばこを吸いながら作業をするなど、完全なる無法地帯の状態。さらに生産管理も在庫管理も出来ていないので、当然なにもかもがどんぶり勘定、もしくは担当者の出勤状況で仕事が進んでいることに愕然としたことを覚えています。
そこからの数年間は、私にとって改革と学びのための期間となります。「学び」と言っても、セミナーなどに参加するわけではなく、できるだけたくさんの人に会って、たくさんの人の言葉をもらうことで、経営のノウハウや組織運営の方法などに関する知見をつけていきました。それだけでなく、もちろん自分でもかなり勉強は重ねましたが、当時は“興味”の方が勝っていたので、勉強だとは思っていなかった気がします。コンサル系の企業にも何度かは入ってもらいましたが、うまく行かないことばかり。結局は自分自身の判断で、臨機応変に個別の問題や課題に対応していくしかないと感じました。
その結果、就任後「膨れ上がっている繰越欠損金を3年で返そう」と思っていたところ、1年で返すことができて、「あれ? 返せちゃった」「もうやることがないかも」といった感じで、少し拍子抜けしたことも覚えています。
とはいえ、売上額はほとんど変わっておらず、もちろん商品も変わっていません。変えたのは会社の中身や、生産体制だけ。それだけで最初の年に6千万ほどの利益を上げることができました。
では次回は、具体的にはどのような壁にぶち当たり、それをどのように解決したのか。さらにここから先の数年、どんな風に会社を育てていくのか。その辺りのお話をしたいと思います。
モテたいなら、やっぱ筋肉っしょ!