月刊 三代目!!

2024.09.30

[月刊 三代目!! 015]就任10年。これまでと、これから。(後編)(2024年9月)

こんにちは。株式会社三輝の代表、阿部拓也です。「前編」と銘打った先月の記事で、私が社長に就任してちょうど10年が経ったこと、社長になってから会社の中身を知ると、実情は散々な状態だったこと、さらに就任から数年は、改革の時期だったことなどをお伝えしました。

前回に引き続いて今回も、就任10周年という節目のタイミングで、これまでの振り返りと、今後の展望を少し話しみたいと思います。

就任してまず私がやったのは、従業員との対話でした。とにかく人を把握したい。そう感じて、個人面談を始めます。それぞれのスタッフが、何ができるのか。また何をやりたいのか。それがわかってこそ、組織が進むべき方向が決まると思ったからです。

人材面では難しいことばかりでした。例えば私の旧友で、現在は営業本部長として活躍してくれているケンイチを役員に抜擢したのも、私が社長に就任して1年が経った頃のこと。しかし周りの従業員と揉めてしまったことや、プレッシャーに潰されたことなどが原因で、少し心を病んでしまいます。1ヶ月の休養後にまた復職してくれて、今なお頑張ってくれているのはありがたい限りです。

ケンイチとの付き合いも30年近くになります。

また先月の記事にも書きましたが、先代である私の父が代表を務めていた時代は、働き方のルールがなく、就業時間などもバラバラ。それを私がきちんと規定したことに反発する従業員との対立もありました。心苦しくもルールを守れないのであれば、辞めてもらうしかないと話し合ったのも、辛い思い出です。

まだまだ人材に関する悩みはいくつも残っています。代表的なものとしては、やはり私の右腕となる存在や、後継者候補となる存在を見つけられていないこと。これは今後も解決に向けて取り組んでいかなければなりません。

また現在、グループ全体でパートを含めて50名レベルの組織となり、個々人を把握できないようになっています。同じ目標を目指す仲間が増え、売り上げが上がっていくことは素晴らしいことですが、やはり背負うものも増え、私が抱く危機感も大きくなってきました。

これらの組織改革に加えて、福利厚生に力を入れたという話は、これまでのこの連載の1回目にも書いてきました。その辺りが話題を呼び、また様々な方面から一定の評価を受け、町工場の成功事例としてセミナーなどで話す機会も増えました。

参考記事:[月刊 三代目!! 001]経営においてもっとも大切にしていること。(2023年7月)

健康増進を目的に、社内の筋トレルームでトレーニングをするとお小遣いが支給される制度も話題となりました。

ここからの3年は、また改革の時期だと思っています。まず着手すべきは社内のDX化。自分たちがつくっているものの数字をきちんと把握するという基本の部分が、まだ人力に頼ったアナログな方法であり、そこが弊社の弱みです。各所をデジタル化し、より効率性を高めるための施策を展開していかなければなりません。現在、金属加工事業においては、内製化もどんどん進んでおり、2024年現在で6億ほどの売り上げを、5年以内に1.5倍に増やしたいという構想を持っております。

販路の拡大と事業の多角化も視野に入れています。本業である金属加工は、ここからさらに大きく成長させることは難しい状況であり、営業力の強化とともに、違う販路を開拓する必要性を感じています。またプライベートブランドの『詰め替えそのまま』に関しては、海外での販売が近々の目標です。“メイドインジャパン”の品質はまだまだ信頼があり、現在はアジア圏への展開に向けた準備を進めております。

これらの中長期的な目標を実現しながら、足元ではやはり人材の確保、成長に注力し、その中から経営に参画できるメンバーを育てていく。それが私が果たすべきミッションだと感じております。

社員たちの献身的な動きが、今の三輝を支えています。

父からの突然の告白から10年。確かな成長を感じる部分と、課題が山積みの部分の両方があり、現場は私が見なくても回るようになったものの、やらなければならないことがたくさん残っております。

そんな中で、従業員の力を借りながら、全力で邁進していく所存であります。ぜひ今後の成長をご期待ください。次の10年も、何卒よろしくお願い申し上げます。

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